
マシンルームレス初期型エレベーターの部品供給停止が続々公表
現在、エレベーター製造大手5社のうち3社が1998年から生産、新設市場に投入してきたエレベーター機器室のスペースが必要ないエレベーター(マシンルームレス型・機械室レス型・MRL)の保守部費品供給終了を発表しています。
製造期間が約10年間の機種がこの5月に公表されたのをきっかけに一気に対象機種が広がり、終了期限の2030年までにリニューアル工事の長期修繕計画を確認、修正の検討を開始しなければならない管理組合が増加すると予想されます。
この頃に設置されたマシンルームレス型エレベーターの機種から一気に市場に広まり、全国的に相当数対象エレベーターが存在すると思われます。
エレベーター部品供給終了時期と長期修繕計画上の予算計画の確認を
このころ設置のエレベーターのマンションはちょうど長期修繕計画上で、第2回目の大規模修繕工事と重なっているケースが多く、予算金額算入に苦労されたかと思いますが、今回のこの対象機種の部品供給停止部品が巻上機一式と制御基板となるので、制御関係すべて取り換える制御リニューアル工事を検討しなければなりません。
まだ具体的な見積金額のデータがないので推測の範囲となりますが、
2500~3000万円ではないかと思われます。
機械室ありロープ式の制御リニューアル工事見積金額と比較してかなり、高い水準だと思いますが、以前からお伝えしている通り、マシンルームレス型エレベーターの制御リニューアルの見積対応可能な独立系保守会社がそれほど、存在していないのでほぼ一社一択の状態が起因しています。
この機種の巻上機のタイプは昇降路の上部にレイアウトされており、現在のマシンループレス型のベースとなっていて、それまでのピット下部や1階フロアレベル位置のタイプとは構造的にも設計レイアウトが違うので独立系エレベーター会社の開発が追いついていない一因となっている模様です。
要は、メーカー系保守会社と独立系保守会社のリニューアル市場占有の営業戦略によって、消費者、利用者が大きな影響を受ける構図となっているのです。
原油等の原材料から建設、建築設備資材、半導体関連の価格高騰に合わさっての建物保全管理の修繕計画のコントロールは今、非常に複雑で予測困難な情勢に入っていると言えるでしょう。
新機種のエレベーターリニューアル工事対応可能な保守会社も参入
以上のような状況下ではありましたが、ここ最近大手独立系保守会社でもマシンルームレス型エレベーターのリニューアル見積対応が可能となったと一報が入るようになりました。以前までは一部の中小規模のエレベーター保守会社が個別対応として見積対応可能とメーカー系保守会社との比較検討を進めていましたが、いろいろな規模の独立系保守会社のこういった動きにより、消費者側の選択肢が増え価格も踏まえた安全性、利便性の向上につながるリニューアル工事の仕様検討が可能となっていました。
マシンルームレス型エレベーターリニューアル見積もり依頼の注意点
但し、注意点としては今までの機械室のあるエレベーターリニューアル工事の見積なら、各エレベーター会社の営業担当者が現地を訪問してエレベーター機械室の扉を開錠しての調査後、見積書が提示されてきましたが、マシンルームレス型のリニューアル見積依頼の場合は、エレベーター図面の提供が必須となります。
エレベーター機械室がないので、昇降路内に内蔵されている巻上機、制御盤が自社のリニューアル製品としての巻上機と制御盤が収まるかがとても重要な要素となるので、まずは図面上で確認をするのです。
エレベーターの図面は竣工時の引き渡し書類の中で建築工事竣工図の中に昇降機設備の図番に記載があると思います。
その図面に昇降路の1階やピット、最上部の各平面図で躯体内法のどれくらいのクリアランスが巻上機と制御盤を設置して確保できるのか?
20年前以上の機械より、最新型の機械の方がきっとコンパクトになって収まらない事はないだろうと当初私も思っていましたが、特に独立系保守会社はあらゆるメーカーの機種に対応させなくてはならない関係上、既存機器よりもいろんなインターフェイスを設ける必要性から一回り大きくなるエレベーター会社もあって、この図面確認作業で対応不可となったケースも結構ありました。
図面上の収まり検討がクリアーされると、この時点で参考の概算見積、あるいは条件付きで見積を提出してくれるエレベーター会社もあります。
条件付きとは、図面上で収まるとして見積は出したが、実際は図面と違った機器であったり、躯体が図面とは違って、図面ではなかった梁がピットに存在している、ピットの深さが図面上よりも浅かった、その他の想定外の問題で対応不可の可能性もありますという条件提示をされる事はあるので、それを踏まえて最終検討時はその不確定要素を無くす方法を協議しなければなりません。
その次のステップを踏んで初めて見積を提出されるエレベーター会社が多いと思いますが、やはり現地調査の実施となります。
この現地調査は今までの機械室ありの営業担当者が写真撮影する程度のものではなく、エレベーターの停止が必要となった現場調査となります。
専門の技術員がエレベーターの昇降路内に立ち入って、各機器の設置レイアウト寸法を検証、図面と照合させたりと本格的なさぎょうとなるのですが、調査時間はエレベーター会社によって違いがあり、2、3時間~5,6時間を要します。
ここが、ハードルとなる管理組合様が多いと思います。新規の相見積もりなので、現状他社が保守管理をしている状況で実際の点検作業スペースで調査と言っても機器を触手確認したりするので、何かトラブルとなった場合の責任の所在を問われるケースがあるので、慎重に判断しなければなりません。
あと、供給終了の保守部品が制御盤内の基盤関係のみの場合、巻上機は既存流用でもとりあえずは問題ない場合に、制御盤と電気関係部品のみのリニューアル見積もりをベースとされている場合は、独立系保守会社の多くは巻上機も込みでないと対応できない条件を提示されるケースが多いです。
これは、機械室ありのリニューアルでも共通していますが、新しい制御盤に、30年前の古い、しかも他社製の巻上機との互換性、マッチングによる不具合を想定しているためです。
その場合は、制御盤とセットで巻上機を加えた見積で、検討することになるので、制御盤のみの価格で安いが、あと10~15年後にはおそらく、巻上機を交換する必要性がまたでてくる事を踏まえて、どういった選択をするかを長期的な視野での検討となります。
市場構成が複雑化し、どの製品はどの保守会社がベストかの見極めが必要
大手メーカーの油圧製品の回帰や、メーカー系と独立系保守会社の提携、吸収合併が第2段かを迎えて一般市場から見えにくくなっています。
なぜかよく分からない理由で見積を辞退されたとか、不自然なくらい一律同じような価格の見積が、数社から出されたりと発注者側から難しい、苦境な市場構成となりつつあるのですが、かならず突破口のある選択肢は存在するので、専門家による相談をご検討ください。
たとえ、それが1社しか対応できない場合でも、その条件下で手立てを講じて発注者様に成り代わっての見積交渉コンサルティングで安全性、価格、利便性と意匠性も合わさったベストな提案を導き出します。



