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リニューアル 保守(メンテナンス) 故障・修理 相談事例 私たちについて

工場、倉庫設置のエレベーター所有者、管理者の方へ

2025年11月16日

2025 11 16

荷物用、人荷用エレベーターを所有される経営者の方

エレベーターはその建物の用途によって、かごの大きさ、使い方、保全管理が大きく変わってきます。

一般的な乗用エレベーターと違って、倉庫や工場に設置されている荷物用エレベーターはその建物の用途から、マンションやビルに設置されている乗用エレベーターよりも規制が緩和された不特定多数の人が利用しない前提で、荷物用としてエレベーターとして設置が認可されているといった考え方となります。

ですので、居住用のマンション共用部に荷物用エレベーターは設置できません。マンションでも設置できるとすれば居住スペースからは区画された倉庫等の往来しかできないスペースに設置されています。

国内で最も建物用途でエレベーターが設置されているのはマンションですが、ここ最近の物流倉庫、半導体関連の工場建設ラッシュで大型荷物用エレベーターの設置台数も増えてきている様です。

今回は、設置から30年以上経過の倉庫、工場設置の荷物用エレベーター、人荷用、乗用エレベーターのリニューアルについて案内したいと思います。

乗用エレベーターでは、国内大手5社がシェアの9割を占めていますが、荷物用エレベーターのシェアは多数のエレベーターメーカーがひしめき合った構成になっている模様です。

正確なデータはないので、あくまで私の業界経験からの推測ですが、1棟の建物に1台設置の比較的規模の小さい倉庫業、製造工場設置のエレベーターは大手5社以外のメーカーが多いように思います。

いわゆる地域の中小企業様経営の倉庫、工場設置の搬送用に使用するエレベーターで30年以上経過し、乗用エレベーター同様の部品供給停止からリニューアル工事の検討が必要な状況が相当数存在しています。

現在も継続していますが、経営環境が厳しい中小企業では大掛かりな設備投資は取りくめない状況であり、どうしても人が基本的に乗らないので故障停止してから、検討すればよいとする考え方が多いように見受けられます。

荷物専用と言っても運転者、荷受け者としてエレベーターの単独での利用はあるので、閉じ込め故障があれば事故に発展する可能性があります。

そういった安全性に関するコンプライアンスから、大手メーカー中心にリニューアルに消極的な所有者、管理者との保守契約を打ち切る動きが多くなってきました。

解約となってしまったエレベーターが不具合となり、復旧要請で問い合わせると、契約外スポット対応となり、高額な対応費を告げられることになります。

さらには、交換部品が必要となれば当然、別途費用として追加見積となりますし、復旧優先な状況下ではその見積通りで発注せざる得ない状況となります。

そうなってから、リニューアル工事の検討を開始しても早くて半年後、大手メーカーでは通常1年後、解約後の現場案件となるとどうしても後回しとなるので、2年後と通告された話も聞きます。

今回は、同様の相談が最近多くなってきているので分譲マンション、賃貸マンション以外の倉庫業、製造業経営のエレベーター所有者の方にも問題解決の一つとして弊社サービスの事例を踏まえた紹介をしたいと思います。

保守契約解除、リニューアル工事見積辞退された油圧式人荷用エレベーターの事例

ある、地方銀行からの相談をリフォーム会社の社長様が受けられエレベーターの事ならと弊社を御紹介いただきました。

相談先の会社は、町工場がひしめき合っている地域で半導体関連の製造、組み立てを行っている企業様でした。

建物は5階建てですが、エレベーターは3カ所停止で停止個所はそれぞれ部品の製造、組み立て、出荷を担っているフロアで稼働数も高い環境です。

設置から40年経過していて、半年前までは大手メーカー保守で点検していたが、契約を解除の申し出を受けて、先日不具合が発生し対応要請をかけ復旧はしたが、高額な作業費の提示を受け、リニューアル工事の検討をする決心を固め、見積要請をしたところリニューアル見積を辞退されてしまい、どうすればよいのかとたまたま銀行の営業担当者に相談し、取引のあるリフォーム会社の社長に繋いで、過去にお世話になっている社長なのでお話を頂いたのが今回の経緯となります。

早速、現地エレベーターを拝見し、状況の説明を受け今後について打合せをしている中で、実は別で所有している工場兼社員寮にも同じようなエレベーターがあって同じく、解約して無保守となっているとの話を聞き、その足でその工場兼社員寮にも伺うと、エレベーター乗場に“使用禁止”と書かれた貼り紙が掲示されていました。

現地のご担当の方に話を伺うと、ここ数日前から扉の不具合が発生し、不安なので極力利用を控える為、社内では使用禁止としているとの事。

私が利用したところ、その時は特に問題はなかったのですが、扉が開いたり、閉まったりして動かなくなるらしく、この2か所のエレベーターについて、早急な対応をとる必要があると判断、次の対応と検討提案となりました。

保全回復、安全利用の早期再開への対応手配

まず、一般的なエレベーター保守会社では見積の為の現地調査、見積検討、発注、製作、現地調査、着工、据付工事、完了、保守の工程に半年以上は必要となり、しかも油圧式エレベーターでは作業員確保の面からもさらに時間がかかる可能性が高い事から、エレベーターリニューアルでも特に油圧式エレベーターに精通した専門工事会社に打診相談し、油圧ユニットの手配と作業員確保の目途と並行して見積依頼、提出、検討してもらいました。エレベーター保守会社を経由せずに直接、製造と工事の専門会社との契約になるので間接費用が発生せず、検討しやすい価格帯の見積金額だったので、社長も即決されなんとか2カ所とも希望納期での引渡しとなりました。その間にも扉不具合も対応してもらい、結局無保守で工場内での埃が多い環境だったことから、扉に関係するローラーに埃が溜まり、軌道上に干渉して戸開閉を繰り返していたのが原因でした。

リニューアル製品、工事会社のデータを持って現地保守対応可能な保守会社を捜索、選別、検討し工事後の保守点検に関しても案内することが出来ました。

工場、倉庫の荷物用エレベーター対象のコンサルティング

マンションやビルでは通常管理会社が、平常時から緊急時の保全管理を請け負っているので、エレベーター会社とのやり取りは普段お任せされているケースがほとんどかと思いますが、中小規模工場、倉庫のエレベーター所有者は契約しているそのエレベーター保守会社が対応できなくなると、完全に保全管理が停止してしまいます。

さらには、こういった工場、倉庫設置のエレベーターはレアなメーカーのオーダーメイドタイプの割合が多く、保守対応、部品の入手が限られていたりするので乗用エレベーター以上に注意が必要かと思います。

日常において製造、搬送に大きく関与しているであろう荷物用エレベータは、人が乗らないから保全は後回しにするとある時に大きなダメージとなって経営に影響を与える可能性があるので、今の内からコストと安全性の両側面から最善の検討を始める事をお勧めします。

まずは、お気軽にご相談ください。

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