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エレベーター改修工事の施行能力について

2024年5月13日

2024 05 13
工事現場で働く人々を空撮した画像

エレベーターリニューアル工事技術者の慢性的人員不足

大阪万博の建設問題を筆頭に建設業界全般働き方改革から派生する作業技術員の人員配置、確保問題はエレベーター業界にも大きな問題となっています。

数年前からの海外コロナ関連の影響から原材料、半導体納期遅延問題に加えて若年層の入職者減少、熟練者の高齢化による後継者不足により専門性の高いエレベーター現場作業技術者は大手含めて、どの会社も人手不足問題から工事受注しても着工予定の目途が1,2年先といった状況は珍しくありません。

酷い話では管理組合と工事契約済にも関わらず請け負ったエレベーター会社の方からキャンセルを申し出てきたケースもあるくらいで、しかもそれが大手のエレベーター会社といった状況です。

最近は若干緩和傾向にはなってきていますが、そもそもメーカーの方から部品供給が終了するから早く改修工事を実施してほしいと申し出ておいて、請け負ったら着工はまだ1、2年先ですとは、どうもしっくりこないと思いますが、原因は材料を製造、調達する納期ではなく作業要員がその間まで予定が詰まっているからなのです。

工事期間は数日間エレベーター停止を伴うので、テナントビル、工場、倉庫、商業ビルで年末年始やゴールデンウィーク、お盆休み等の長期休日を利用しての工事となると数年先や、見積辞退のケースも多くなっています。

エレベーターリニューアル業者検討で工程、施行計画、実績が重要

エレベーターのリニューアル見積もり仕様検討ではその製品の仕様である主要機器、安全装置、意匠関係の比較に目が行きがちですが、見積項目の最後に「工事費、据付調整費、楊重費、仮設養生費・・・」の人工費用については各社どういった特色、違いがあるのかなんて判別できません。見積もり段階では契約からどれくらいで着工出来て、工事期間は何日間か程度のヒアリングが一般的でありそれ以上は、契約してからでないと詳細は分からないのですが、せめて見積対象のエレベーターと同規模、同仕様の工事実績については聞いてみましょう。

過去からのリニューアル実績や年間施工台数、工事期間中の人員計画や搬入方法等から大体その会社の工事施工能力が判断できます。

エレベーターリニューアル工事の施工、工程トラブル事例

私が過去に体験、実際に報告を受けた事例をいくつか紹介します。

・屋上エレベーター機械室に大型クレーン車で機材搬入時に建物外壁に衝突、壁損壊。

・屋上エレベーター機械室に重量機材を搬入する際、台車運搬時に誤って屋上床にある水道配管に接触し、破裂、水漏れ、床一面浸水。

・機材搬入時に大型トラックユニックにて大型掃き出し窓から運び入れるのをユニックアームの操作ミスより窓ガラスに接触、破損。

・1階ピロティ―駐車場奥のエレベーター機械室に機材を搬入する為、搬入口を確保するために一部ALC壁斫り作業した際に大量の粉塵が駐車中の入居者車両に付着。

・大型クレーンによる搬入作業の為、管轄警察署に現場前面道路を車両通行止めの道路使用許可を申請していたにも関わらず、路線バスの幹線路となっていた為、バスが道路手前まで進入し、搬入作業途中で工事中断、工事遅延。

・発注者であるマンションオーナーと管理会社、エレベーター工事施工会社の担当者との工事着工、搬入日程の打ち合わせが不調、エレベーター会社内で手配連絡が機能しておらず、工事工程了解、住民告知のないまま着工、解体搬入作業開始し予告なく着工、約10日間エレベーター使用不可となり大問題。

・既存エレベーター解体作業の際、建屋側のエレベーター専用のブレーカーを切らずに動力電源遮断し、ビル全体の電源設備がダウン、一時停電となってしまい、テナント先の会社内パソコンのデータが抹消し損害賠償問題。

大型クレーンによる夜間搬入作業だったが、近隣への作業告知を怠っていた為、クレーン車の作動音による多数の周辺住民、警察から作業中止を求める騒音クレーム。

・新規巻上機の外形寸法と搬入口の機械室扉寸法の確認不手際により搬入作業当日に開口不足発覚、搬入不可となり、工事遅延。

・工事中の材料置き場が入居者の玄関口周辺だったが、告知連絡を怠った為クレーム。

・新規巻上機の材料発送ミスにより大型クレーンでエレベーター機械室まで搬入したものの、撤去撤収。再度の前面道路使用許可申請もあり、大幅に工期遅延。

専門のエレベーター会社に工事を任せているのにこんな事が起こるのか!?と思われるかもしれませんが、現実に経験、見聞きした事例です。

こういった事例は一部であって大部分は問題なく施工されるのですが、やはり、実績、経験が乏しいエレベーター会社となるとそれなりの技術者、監督、下請けの工事業者が施工し、全体を把握した担当者と発注者、管理者との意思疎通、連携がないまま工事着工を迎えてしまうと思いがけない大きなトラブルとなってしまいます。

エレベーターリニューアル工事における施工能力の比較、判断

マンション管理組合 役員や賃貸マンションオーナー、管理会社の方でも見積もり選定時に各エレベーター会社の施工能力を厳密に見極め、判断する事はほぼ不可能です。

かと言って、四角四面に「ちゃんとトラブルなく施工できますか?」と聞いてもどんなエレベーター会社の営業担当者でも問題なくできますと返答するでしょうし、確認しようにも実際の施工現場を何件か見学するにも時間も手間もかかるのと、そういった要望に応えるエレベーター会社は少ないと思います。

せめて施行済の現場をお忍びで見に行く程度が精一杯ではないでしょうか。

こればかりは、過去何年も積み重ねられた現場経験から想定される現場特有の問題点や、解決方法の予想から業者へのヒアリングを重ねて色々な角度から検証していっての判断しかありません。

リニューアル工事施工会社の検討に確かに見積金額の高低は大きな要素に違いはありませんが、工事仕様の製品中身はもちろん、目には見えないけれど据付工事の施工能力、事前の施工計画、仮設計画とその内容をいかに入居者、周辺関係者に必要な情報告知をベストなタイミングで進めていけるかが実は最も重要な事であったりします。

エレベーターマネージメントでは業者選定コンサルタントとエレベーターリニューアル工事施工管理サポート業務のプランもご用意しています。

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