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補助金

エレベーター防災対策改修補助金 検討・利用マニュアル 前編

2024年6月9日

2024 06 09

現状、問題なく稼働しているエレベーターが製造先、保守契約先、管理会社からの勧めにより保守部品が製造しなくなるので高額なリニューアル工事を検討しなくてはならない、それが20~30年に1度の事ならなおさら公的機関による補助金を利用したいと考えるのは当然かと思います。

以前にもエレベーター防災対策改修補助金について自身のブログにも紹介しましたが、この制度の概要や全体的な条件と条件に関する詳しい工事仕様等について記載しました。

補助金全般について

補助金の要件(耐震対策

補助金の要件(戸開走行保護装置)

戸開走行保護装置設置状況 地方行政の補助金制度

では、実際一度この補助金を使ってエレベーター改修工事実施に向かって検討を開始してみようと思われたユーザー様の為により具体的な視点に立ってどういった事をどうとらえてどのタイミングでどこから何をしていけばいいのか?を解説したいと思います。

大阪市でも2,3年前からこの補助制度を開始して年間10件程度の実績で少ないのですが、希少な情報・データからより具体的に現場ユーザーの利用検討者に落とし込んだ内容となっていますのでぜひ参考にしてください。

補助対象となれるエレベーターなのか?最終確認

  • 3大都市圏、人口5万人以上の市、地方公共団体が指定する区域
  • 特定建築物、延べ1000㎡以上、長期修繕計画が作成されている
  • 構造躯体が地震に対して安全な構造である事
  • 改修箇所は既存不適格解消となる事。
  • については大都市圏に限定されるので検討するエレベーター設置住所の管轄地方行政のホームページを閲覧しこういった補助制度を取り入れているかを確認してください。関西圏では2024年6月現在、大阪市と堺市が制度を取り入れています。
  • について、建物用途は共同住宅(マンション)に限定されます。複合用途型マンションであっても、そのエレベーターが住宅として利用できるフロアに設置されているならば利用可可能です。逆にエレベーター乗場が事務所や店舗に接続、面しているフロアであれば対象外となります。
  • については、いわゆるその建物が【新耐震基準】で設計され、建築確認がその基準で審査された建物である事が条件という事です。

判断基準は昭和56年6月以降の現行の耐震基準かどうか、となります。

行政によってはさらに、平成26年3月31日以前に建てられた建築物に設置されているものといった条件を掲げているところもあるので、

おおよそ、築年数が43年~10年までのマンションが対象レンジであると解釈できます。

  • について、エレベーターの3つの既存不適格解消が
  • 戸開走行保護装置
  • 地震管制運転(S、P波)
  • 14耐震対策

このグレードアップ工事の実施が必要となります。ご検討されるマンションのエレベーターにこの3つの仕様がこれからのエレベーター利用に本当に必要なのかを判断しなければなりません。

この3つの仕様を満たす工事となると施工可能なエレベーター会社はかなり限定されます。メーカー系エレベーター会社は新設工事を本業としてるので問題ないですが、独立系保守会社で施工対応可能な会社は限られた数社しかありませんので、相見積もりの価格競争によるコストダウンはあまり期待できません。

尚且つ、この3つの仕様によるオプション追加見積金額はざっと150~300万程度の金額と想定されるのでこの増加分を差し引いて補助金減額から、実際どれくらいコストメリットがあるのかを検証しなければなりません。

大阪市と堺市の場合、補助対象工事の23%、1台につき218万5千円が上限設定されています。

今回のエレベーターリニューアル工事で補助金を利用してみようと決断したら、いよいよ補助金要件仕様を盛り込んだ仕様のリニューアル工事見積を各業者から徴収する段階になります。

見積業者との協議打合せと選定

  1. 地震時管制運転装置の設置
  2. 主要機器の耐震補強措置
  3. 戸開走行保護装置の設置
  4. 釣合い重りの脱落防止措置
  5. 主要な支持部の耐震化

上記5つの仕様が可能な業者はかなり限定されます。まず既設設置のメーカーは問題ありません。対応可能ですが見積金額、製作納期ともし保守契約を現在メーカー系ではない独立系保守会社と締結してるなら間違いなくリニューアル工事後の保守契約を条件にしてくるでしょう。現在の独立系価格との比較検討が必要です。

その他の独立系保守会社にもリニューアル工事の見積依頼を上記5つの仕様と補助金申請を利用したいとはっきりと伝えて期限を付けて依頼してください。

おそらく、14耐震対策には竣工当時の昇降機確認申請副本を求められるので提供してください。それがないと14耐震対策の見積を出す事は独立系保守会社では出来ないからです。

加えて、補助金申請に伴う行政申請書類の作成協力、申請業務についての一連の申請業務についての作業履行も確約が必要です。

補助金申請の申請様式にはかなり詳細な工事内訳書や工事内容説明、様式に則った完了報告書を滞りなく提出する事が求められます。

機器についての仕様書や認定書、根拠となるミルシート、部品図、レイアウト図等を添付する必要があるのでCADを備えた設計部隊のある保守会社でないと対応は、難しいでしょう。

堺市では申請業務について、申請者の代理人が行う場合は工事契約をした施工業者かつ1級建築士に限られていますので1級建築士事務所登録のある保守会社でないと委任できませんのでメーカー系保守会社以外の選択肢はかなり狭いと思われます。

さらに、契約から着工、補助金事前相談、受付、申請等について業者とスケジュールを綿密にすり合わせしておかなければなりません。

補助金が1年ごとに予算計上して補助するので年度内に申請したならば、年度内に工事を完了しなければなりません。

したがって、契約前の段階でほぼ内定として状態で事前審査の申し込みをして問題なく申請処理が受理されたらすぐに正式契約し、部品製造調達をかけ、翌年の3月末までに工事を完了できるように製造部門、工事部門に体制を組んでもらわなければならないので時間的にかなり前段階で詳細な工程計画を打合せを経た上で事前審査を申し込まなくてはならないので現実的には2年がかりで取り組むのが無難ではないかと思われます。

一糸乱れず意思疎通が施工業者との間に必要

補助金利用のメリットの恩恵が十分あれば非常にありがたい制度であるのは間違いありません。

ただ、そこに行きつくには数々の検証、検討と判断があり、いくつもの条件をクリアし、計画的に非常にタイトなタイムスケジュールをこなしていかなければなりません。

このようなレベルの高い作業を一般の、しかも本業の仕事を持たれている管理組合の理事長が管理会社に頼らずにできるのでしょうか?

大いに疑問が残るのですが、唯一の解決策はやはり専門のエレベーターコンサルタントに助言、サポートしてもらう事と思います。

エレベーターマネージメントはエレベーター管理に関して、こうしたい、こうあるべきではないのか?等困っていることや疑問に思う事を気軽に相談できる存在です。

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