ブログ

リニューアル

リニア式エレベーターのリニューアル工事について

2026年9月13日

2026 09 13

リニア式エレベーターの沿革について

25年程前、エレベーターの大きな技術転換期と言えるその初期段階、今まで屋上、あるいはエレベーター昇降路近くに必ず必要であったエレベーター機械室のスペースが大幅に削減された省スペースで設計可能となる(約従来の半分のスペース)エレベーターが開発されたといったニュースが建設業界で大きな話題となりました。エレベーター機械室を不要とする省スペースは海外市場の方がむしろ、進んでいたようで主要機器である巻上機をコンパクトにしていかに昇降路内に収めるかが最も重要なポイントであり、その国内先駆者がリニア式であったように記憶しています。

当時は、あの大きな重さ300kg以上の機械をどうやってカゴが昇降する狭いスペースに収められるのか?とかなり画期的な構想であったと感じていましたが、それゆえ独自の思想による構造方式でエレベーターを駆動する方式となっています。

その後は、他の国内エレベーターメーカーもエレベーター機械室を不要とするマシンルームレス型エレベーターを次々とリリースし、油圧式エレベーターを廃止してロープ式によるマシンルームレス型エレベーターが新設市場の9割以上を占める市場構成となっています。

その流れの中でリニア式エレベーターに関しても、ほどなく新規生産を終了し、設置済みのリニア式エレベーターの保守部品の生産も終了の時期となり、リニューアル、入れ替えの検討をしなければならない状況になりました。

リニア式エレベーターの構造について

エレベーターの駆動方法、かごを昇降させる動かし方が根本的に従来と違っていて、モーターの力でロープを巻き取ってかごと錘を動かすのではなく、電磁石の力で直線的に駆動させる動きとなり、昇降路スペースを有効活用するために、おもりと駆動装置であるリニアモーターが一体となり、駆動装置をレイアウトする機械室スペースが必要なくなるので、制御盤のみのスペースを昇降路近くに設置すればよいので建物共用部の設計レイアウトの自由度が格段に向上しました。

円筒形のリニア誘導モーターを吊り合いおもりの中央に内蔵し、その柱となっているカラムを中心軸としておもりを貫通して昇降路全高を構成している。

しかも、この吊り合いおもりはブレーキや速度検出装置、その他のセンサー類も組み込まれている。

かごと吊り合いおもりはレールをガイドとして昇降し、これを吊っている綱車は昇降路直上部に設置されている。

調速機は昇降路下部に設置をされ、制御盤は昇降路周辺の任意の位置に設置が可能となる。

リニア式エレベーター

リニア式エレベーターをリニューアル工事するには

前述より、一般的なエレベーター構造であるロープ式とは異なるので、エレベーターのほとんどの部分を入れ替える必要があります。

ロープ式エレベーターをリニューアルする場合は、既存流用できる箇所があるので、いわゆる制御リニューアル工事を採用する事で、部品供給が停止する影響のある制御部分を中心に交換工事が可能となりますが、リニア式は構造方式が全く違うため、既存流用できる箇所が乗り場壁の三方枠と床の敷居しかありません。

この点が他の一般的なロープ式エレベーターリニューアルと違う点で、工事規模から、金額が高額となってしまう最大の要因となっています。

現状、リニューアルする方法としての選択肢は以下の2つとなり、工事の仕様内容は全く違った駆動方式のエレベーターとしての比較検討となります。

リニア式エレベーターリニューアル工事検討のステップ

リニューアル工事の内容としてはいずれにしてもほぼエレベーター全体的に入れ替える準撤去工事となります。

その場合は、エレベーターを新規設置する場合と同様の確認申請機関への届け出が必要となるので、その建物が竣工された引き渡し書類である、竣工図や、当時の確認申請資料である、昇降機確認申請副本、確認済証、検査済証等の行政機関へ設置申請で使用した仕様書、設計書、認定書、設計図面、安全装置系統図、安全装置の部品図、建築、エレベーター据え付け図面が今回のリニューアル工事に必要となります。

現状の環境から、新たに設置するエレベーターは既存の建物躯体に対してどういった設置レイアウトになるのか、建物にどの程度の荷重が影響するのか、そして新規設置となるので現行基準の法規に則った基準で設置しなければならないので、必要となる安全装置を追加で新規設置する必要があります。

まずは、以上の設置してからの建物、設備関係の図面関係等の保管状況の確認に取り掛からなくてはなりません。

特に、設置メーカー以外へリニューアル見積依頼をする場合は、昇降路内のスペースに自社の製品が収まるのかといった基本的な設計検討が見積検討で必要となり、さらに工事が決定した際も、工事着工前までに上記既存保管資料を新規設置の確認申請に添付しなければなりませんので、上記関係書類は必須となります。

工事見積と同時変更で工事後の保守メンテナンスの見積も検討に大きく影響するので、重要です。

現在、独立系エレベーター会社で保守を委託していて、リニア式エレベーターを、フラットベルト式にリニューアル工事を決定した場合、その契約がフルメンテナンス契約だった場合は現在の独立系保守会社との契約について確認が必要です。

リニア式でもその傾向が見られていたのですが、限られた機種である為、部品単価も高額になりやすく、従来からの契約金額で問題ないのか、あるいは、フラットベルト式となった場合は点検契約自体履行ができないといった保守会社も想定されます。その場合はリニア式エレベーターを施工した会社に保守契約を変更しなければなりませんので、工事を発注決定する前にそういった事についても検証しなければ大きなトラブルとなってしまいます。

特殊性の高いエレベーターリニューアルには専門家の意見を参考に

ここ最近、相見積もりが取れない、価格が異常に高い、1年前の見積から大幅な増額見積もりが出された・・・等の相談が増えています。

それぞれ、いろいろな事情、状況での相談内容ですが、特殊性が高い等の理由もわからない方からは、到底高額見積について納得できない、理事会内での説明がつかない、結果総会否決となり、不安全な状況で任期が満了となり上手く引き継げない等、解決しにくい状況下に陥る前にどうか、早期の段階でご相談ください。

あらゆるエレベーターに関するご相談をお受けていますので、お気軽にお問合せ下さい。

問合せフォームはこちらになります。