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リニューアル 保守(メンテナンス) 相談事例

小規模マンション設置のエレベーターリニューアルについて

2025年10月20日

2025 10 20

3種類の構造種類による小規模マンション用の共同住宅エレベーター

特に賃貸住宅に多いのが、4,5階建ての1フロア3~5戸程度のワンルームマンションに設置されているエレベーターは定員積載量が4人乗りで、ホームエレベーターよりも一回り床面積が広く、一般型エレベーターの6人より少し狭い、中間層の住宅市場に焦点を当てたエレベーターが設置から25~30年経過し、一般型エレベーター同様にメーカーからの部品供給終了案内により、リニューアル提案を受け、頭を悩ませている所有者様からの相談が割合的に多くなってきました。

エレベーター市場の中ではニッチなカテゴリーですが、この狭い市場に実は3種類の異なる駆動方式のエレベーターが存在しています。

巻胴式

かごに結ばれたロープを巻胴(ドラム)で巻き取り、巻き戻してかごを昇降させる。1階横に機械室が必要。巻胴式巻上機、制御盤が機械室内に設置されている。一般的なロープ式エレベーターと違って釣合い重りが無いのでモーター容量が比較的大きい。高層、積載が大きい6人乗り以上は対応できない。

油圧式(4,5人乗り)

一般普及型の油圧式と構造は同じで、油圧ユニット、制御盤等6人乗りとほぼ同じ。小規模事務所、事務所、共同住宅併用建物にも設置されている。普及型6人乗りより積載が小さいが保全管理費、リニューアル工事は同額以上のコストがかかる。昇降路を省スペース化の設計指向からかごガイドレールが片持ちのタイプがある。

マシンルームレス型ロープ式(4人乗り。巻上機が昇降路最上部設置)

共同住宅専用で製品設計されており、他の用途に通ずる乗場には設置する事はできない。その為に床面積緩和措置が設けられており通常の乗用エレベーターの積載量に対する床面積より、広い床面積が確保されている。

全国の県営、市営住宅の階段室共同住宅に建物に後付け設置されるエレベーター事業により、相当数が設置されたが20数年経過し入札等より改修工事が進められている。

一部のメーカー除いて、部品供給終了の案内はでていないが、早期に修繕予算の計画組み入れの提案活動されている。現在、独立系保守会社ではこの機種に対するリニューアル対応可能とする会社は確認できていない。

総戸数30戸以下、4~6階の中低層共同住宅はエレベーター修繕費が割高

このような小規模共同住宅で特に分譲マンションでは自主管理されている管理組合が多く、計画的に管理修繕が行われていないケースが多く、管理費、修繕積立金が枯渇している状況が多いように感じます。

外壁、屋上防水の劣化から大規模修繕とエレベーターの部品供給問題が重なってしまうとかなり深刻な状況に陥ってる管理組合の相談もあり、総戸数が少ない分、かなりの額の修繕積立金増額や一時金の徴収を区分所有者全員で検討しなくてなりません。

どこのマンションでも共通の問題ですが、30年以上経過のマンションでは入居者の高年齢化が進んでいるので、急激な管理費、修繕積立金の値上げの総会決議は簡単では可決されないので、相当な下準備の情報収集、いかに整理、理論づけて分かりやすく現状とこれからの取り組みの重要性、長期的な修繕計画による管理費、修繕積立金の必要額妥当性の理解を得る為の認識を管理組合として持たなくてはいけません。

これについては、自主管理ではよほどの専門知識のある方が、リーダーシップをとって役員を統率していかないと難しいと思われます。

かといって、この段になってから管理会社に委託しようとしても、管理会社の人手不足問題や、管理委託費高騰からも、難攻は避けられない状況です。

そこで、問題の優先順位をつけ、細分化しある問題に関しての専門家の意見を聞くのが解決の一つの方法ではないかと思います。

マンション管理士や修繕設計コンサル会社、大規模修繕工事専門会社等、それぞれの問題を最終的には管理組合でトータルに検討、判断して方向性を見出す事が解決策となるのではないでしょうか?

弊社ではエレベーター全般の問題については当然、ご相談に乗らせていただきますが、それ以外のその他の設備関係問題や、大規模修繕に関する事、管理組合の理事の担い手問題、管理組合運営問題等、それぞれに対応する事務所や会社法人にネットワークを構築していますので、どのような事でもお問い合わせ、ご相談ください。

ある小規模建物・マンションのエレベーターリニューアルの相談事例

築36年 総戸数10戸 4階建て 自主管理 

今まで自主管理の輪番制だった為か正式な長期修繕計画も存在せず、一部鉄部塗装、屋上防水工事のみで大規模修繕工事やエレベーター修繕工事も未実施の状況で、いよいよエレベーターの保守部品が枯渇してきた切迫感のあるリニューアル工事の営業案内が保守会社から営業案内されているといった相談内容でした。

国交省様式の長期修繕計画が作成されておらず、過去の理事長が独自で作成された修繕計画表があり、各々の周期と項目部位の計画はありましたが、内容的には現実的な市場価格、内容、周期ではありませんでした。

特に価格に関してはここ1,2年で大幅に増加しているので現状の修繕積立金では賄えない中、大規模修繕工事かエレベーターリニューアル工事のどちらを優先して取り組むか、その前に現状からどれだけの額の管理費、修繕積立金増額としなければならないかから始めなければなりません。

まずは、専門家による正確な中長期の修繕計画を立てるのに詳細な現地調査を実施し、目先のエレベーター、大規模修繕工事の工事内容を確定し、必要となる管理費、修繕積立金を各戸毎に算出して、現状を区分所有者に理解してもらう事から始めるようにアドバイスをしました。

まずは、正確な現状把握が重要であり、それを実施するには初期段階で費用は発生しますが、専門家によるサポートが必須ではないかと思われます。

築33年 5階建て1階事務所 1フロア1戸 総戸数4戸 賃貸マンション

ここ数年間、2階から上階は空き家が続いていてこの度、借り手が見つかったので、エレベーターを再稼働しようと保守会社に問い合わせると部品供給が終了しており、保守契約締結するにはリニューアル工事が条件となると見積もりが出されたがかなりの高額で困っているので相談に乗ってほしいとの内容でした。

休止中に部品供給終了となり、新たに保守契約となると保守会社としても契約の履行が保証できないのでどうしても機器を一式入れ替えて、まずは保守が可能な状態にしてから保守契約締結とするのは一般的な保守会社の考え方と言えます。

想定外の予算出費となりますが、早急にリニューアル工事を検討する必要があるので、信頼できる保守会社数社にリニューアル工事見積もりを依頼するにあたり、必要な工事仕様を検討、決定して見積共通仕様として各社に見積もりを依頼する事から始めるしかありません。

出来るだけ賃貸入居開始までエレベーターリニューアル工事を実施するように、効率よく業者選定する事と納期対応も協力的でリニューアル後の保守体制、ランニングコストも納得のいく施工業選定をするには、やはりこちらも専門家の手助けが有効ではないかと思います。

これからの時代の流れは専門家の活用?

こういった小規模マンションは共用設備の維持に戸数割合として高額な負担が必要となります。

特に1フロアに戸数が少ない場合のエレベーター保全費用の負担は大きくなるので、慎重な長期的保全計画が大・中規模マンションよりも求められるのですが、むしろ消極的管理組合、賃貸オーナー様が多いようです。

今までは、何とか凌いできたが、30年経過すると一気に設備は更新の必要性に迫られるので手遅れになる前の手立てを業者丸投げではなく、選別した専門家の意見を聞きながら管理を進める事がこれからのマンション管理の一つの道筋になるのではと感じています。

先日も国土交通省からマンション標準管理規約改正され、大規模な改修工事、建て替えについても決議要件が従来よりも緩和される方向性になりました。以前からサブリース方式、第3者管理者方式等新たな法律が制定されてますが、いずれにしても所有者が第一に関心を持ち、より一層の情報収集に励むことが第一歩と考えていますので、気兼ねなくお問い合わせください。

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