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保守(メンテナンス) 故障・修理

エレベーター保守会社の見方・選び方について

2025年6月15日

2025 06 15

エレベーター保守会社の近況について

大きくはメーカー系保守会社と独立系保守会社の2種類に分かれるのですが、ここ数年でこの構図が大きく変化していくような様相を徹している気がします。

特に30~20年前から全国的に独立系保守会社の設立がピークを迎えて、今では300社程がいわゆる昇降機保守を扱う事業をメーカーとは独立した経営で存在しているのですが、まず全国展開の大規模な組織運営の会社と中小規模の地方に根差した、地域密着の会社にそれぞれその役割、立ち位置によって存在意義を見出して保守契約台数を伸ばしてきました。

その新規保守契約の獲得先のほとんどが、メーカー系保守会社からであり月額料金の低額メリットを最大の売りにして、中小規模の賃貸マンション、テナントビルを中心に全国的に独立系シェアが拡大していきました。

独立系保守会社によって、保守価格にプライオリティーを重要視した契約先が一巡すると、そこで独立系保守会社間でのシェア獲得による価格競争となり、コロナ禍前のデフレ要因もあり保守単価の下落が牽引されました。

そこで、経営資源のある体力のある保守会社とそうではない会社の格差が生じて、一気に独立系保守会社間のM&A(吸収合併)化が進んで一極集中的に保守台数が伸長する会社と、新規契約台数が伸び悩んで事業経営が行き詰る会社、いわゆるM&A対象となりうる予備軍となる会社の割合が増加するのでした。

最新の状況では、そういった流れも一段落し以前ほどではなくなりましたが、今後もこの傾向は続くと思われます。

メーカー系保守会社でも、独立系保守会社の攻勢に対抗すべく上記同様の動きとして独立系保守会社との資本、事業、技術提携をそれぞれ進める動きが活発化しています。会社名や日常業務については従来通りのサービスなので消費者側からは特に表立った変化を感じる事はありませんが、大きな経営戦略上での事業展開を模索していると思われます。

その一環として自社以外のエレベーター改修工事、保守サービスの営業展開を一部製品で進行されています。

メーカー系は自社以外の技術的ノウハウを、独立系からこういった提携を基に吸収、開発し新たな事業戦略として取り入れ始めました。

エレベーター保守管理はメーカー系保守会社?独立系保守会社? – ブログ | エレベーターマネージメント

エレベーターメーカー系保守会社の優位性 – ブログ | エレベーターマネージメント

見出しにくいエレベーター保守会社の特徴・特色

独立系の保守会社では大規模な会社が中小規模の会社を吸収して2極化が進行している一方、メーカー系保守会社では提携した独立系保守会社から他社製サービス事業の展開とある意味、独立系化した事業形態となり、それが一般市場では全く見えない水面下での動きなので、一般消費者側からは気付くことができない領域となっています。

もし、思うように相見積もりが取れない、取れても以前ほど価格差が生じない等の経験があれば、そういった背景があるのかもしれません。

昨今の物価上昇の機運はエレベーター業界も例外ではありません。人件費、部品コストの上昇から、特に高年式機種のフルメンテナンス契約を継続している契約者へ月額保守料金増額の通知や、説明案内が届いたり、リニューアル工事の見積総額も以前に比べると全体的に1,2割程上がっている状況です。

これからは、この業界に関わらずあらゆる消費購買活動には、相見積もりを取得して価格の妥当性、正当性を検証していく事が重要となっていく事でしょう。

このような、不透明感が強く、専門性の高い検討対象だからこそ、業界や製品技術、サービス内容に精通したアドバイスを積極的に取り入れ、価格と安全性のバランスの取れた選択の手助けが必要とされると確信しています。

どうぞお気軽にお問合せください。

何よりも優先するべきは安全、安心の保守サービス

前述ではエレベーター保守サービスの価格的な内容をピックアップしましたが、

やはり、第一に安全性が成り立っていなければ、いくら価格にメリットがあっても採用するわけにはいきません。その見極めは非常に難しいのですが、日々の保守サービスの中で少しでも違和感を感じる事があれば、立ち止まって保守会社とのコミュニケーションをとり、現場状況のヒアリング、報告、対応要請をする事でその会社のサービスへの取り組み、姿勢が見えてくる事があります。

〇今までより点検時間が極端に短くなった。ちゃんと点検しているのだろうか?

〇点検日時の連絡が直前までない。あるいは、告知貼り紙が貼られていないのに点検に来た。

〇点検報告書の提出が遅い。月締めの支払い計上に支障をきたすので要求しても改善されない。

〇点検報告書にたくさんの不備の項目が記載されている。内容を聞いてもよく分からない。営業から連絡が来るとの回答だがいつまでたっても連絡がない。

〇不備事項について部品交換の見積を要求してもいつまでたっても連絡がない。

どれくらいの期間が必要かの目途についても回答がない。

〇比較的長時間停止を伴った故障があったが原因、処置等の報告がない。電話で督促してもいつまでたっても連絡がない。

〇最近、故障が頻発している。その都度現場に来て復旧はしているが、原因がはっきりしない等の回答。

〇担当者が頻繁に変わる。その都度引き継ぎがされていないので行き違いや要望の対応が遅い。

〇フルメンテナンス契約なのに、故障が多い。計画的に部品の交換は実施されているのだろうか?

〇故障発生して、修理復旧工事の内容が今まで点検報告書に記載されていない内容だった。なぜ、点検で事前に報告、提案がなかったのか?

〇保全修理の部品交換の発注をしたが、当初聞いていた納期を越えても日程の連絡がない。電話で問い合わせしても確認中の為、はっきりとした日時の返答がいつまでたってもない。

〇部品交換工事が完了し請求書だけ送付されたが、工事写真等の完了報告書がない。

問い合わせたら工事写真を撮影していなかったらしく、内容が確認できなかった。

・・・どこの保守会社も深刻な人員不足なので、少しのケアレスミス、行き違いもありますが、幾度も繰り返され、改善される兆候もないようなら、見つめ直しが必要かもしれません。

エレベーターメンテナンス会社切り替えのタイミング – ブログ | エレベーターマネージメント

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