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保守(メンテナンス)

エレベーター保守契約は管理会社経由か、管理組合との直接契約か

2025年9月13日

2025 09 13

管理委託費とエレベーター保守費用の関連・関係性

私の今までの経験上、特に分譲マンションの場合は新築当初からデベロッパー系の管理会社が管理委託先の場合は、特に設置製造のメーカー系保守会社がエレベーターの保守管理を担っており、契約種別はほとんどが、フルメンテナンス契約(劣化、消耗した交換部品代を月額保守料金に含んだ契約)が多く、契約・発注形態(契約ルート)は

管理組合⇔管理会社⇔エレベーター保守会社といった管理委託費の中にエレベーターが組み込まれた契約だったのを、ある年月を経て、

管理組合⇔エレベーター保守会社 , 管理組合⇔管理会社(エレベーター保守管理は除外)

となるマンション管理組合がここ最近増えてきているように思います。

いろいろな要因があっての事だとは思いますが、きっかけは管理費、修繕積立金値上げの検討に入った際に、ランニングコストの見直しを取り組んだ一つにエレベーターの保守管理費や、その他立体駐車場設備等の設備保守管理費を管理会社を通さず、直接管理組合とその設備業者が契約する事より間接費用を削減する意図から、管理組合側、あるいは管理会社側から提案がなされ、一定年度を経た分譲マンションは管理組合と設備業者との直接契約(組直)の割合が多くなっているのでは?と推測しています。

最近、その割合が増えてきていると肌で感じるのは、当初の管理会社の下請けとなっている設備業者の人件費高騰からの管理会社への値上げ要請に加えて、管理会社からも管理業務による人件費上昇分の管理委託費の値上げを管理組合に要請する動きがかなり多くなってきているが起因しているのではと思われます。

背景には、日勤の管理人確保が非常に難しくなってきている点で、よく聞くのは、週6日の勤務、週4日の勤務、朝7:00、8:00~17:00の勤務時間が長い等、勤務日数が多すぎず、少なすぎず、勤務時間も長すぎず等、これも、働き方改革の影響か募集しても応募が無い状態が常態化していると管理会社フロント担当者からよく聞かれます。

上記情勢から管理組合と管理会社の思惑が一致して、組直となるケースもあれば、エレベーターリニューアル工事の際に、既契約先のエレベーター保守会社から別のエレベーター保守会社がリニューアル工事を受注した際に、リニューアル後の保守契約から、契約変更となりそのまま組直となったりとある意味、必然的な流れとになっているのではないでしょうか。

エレベーター保守契約の組合直接契約 注意点

まずは、管理会社とよく、エレベーター関係に関する業務について細かくその範囲、内容、責任について協議、共有認識のすり合わせが重要です。

例えば、今まで点検日時の予定案内は管理会社経由で、エレベーター保守会社が現地管理人室に貼り紙をFAXして、管理人さんが共用部に掲示していたのを、契約変更後もその形態を維持してくれるのか?もし、できないなら、その業務をエレベーター会社にやってもらわなくてはならないが、エレベーター会社がそれを了解、確認さなくてはならないとか、点検作業完了時の作業報告書は、契約変更前までは管理会社が保管していたのを管理組合が履歴保管する事になるのでそのルーティングをどうするのか等、

細かい話ですが、よく話し合っておかないと後々のトラブルに発展するのです。

そういった対応力のあるエレベーター保守会社の窓口となる営業担当者が必要条件となるので、見極め条件の一つとして観察する事をお薦めします。

エレベーター保守管理の契約が外れたといって、全く管理会社として関与しないのは、建物全体の管理としては間違っているので、建物の管理委託契約書の内容を一度、熟読して協議されるのがベストと言えます。

エレベーター保守契約の組合直接契約のメリットとデメリット

上記注意、確認を経てエレベーター会社との直接やり取りとなってからのメリットとしては、コストダウンが図られたことが一番の要因です。

保全状況の報告等、ダイレクトに管理組合に伝わるので情報の伝達のスピードが速くなります。

フルメンテナンス契約ではあまり恩恵はありませんが、POG契約(劣化、消耗部品は月額料金外なので交換が必要と保守会社が判断すれば、部品交換の見積が提出される)の場合の部品交換提案見積や、不具合報告、その他の要請対応についてもコミュニケーションがとりやすい関係と言えます。

デメリットは、管理の窓口が分割されるので、例えばエレベーターに関する大きな工事について理事会に説明参加を要請するのも、管理会社、エレベーター会社それぞれ連絡調整が必要だったり、特に大災害時の緊急駆け付けに関して、全体契約数からの派遣計画と単独契約先での派遣計画では若干の計画上の差異があるかもしれません。

この件に関してはその管理会社、エレベーター保守会社によって一概とはなりませんが認識として持っておいた方がよいかと思います。

保守管理コスト見直しの第一歩として

長期修繕計画の見直しの一環として等、なにかしらのきっかけとしてエレベーター保守管理について、検討したいがどこから何をすればよいか分からないのが実情だと思います。

現実にはすでに、エレベーターや他の設備はそれぞれ管理委託契約とは別途で契約している管理組合もたくさんいらっしゃいますし、もっと言えば、数は少ないですが自主管理の管理組合様は最も極端な例だと思います。

そのマンションの実情に合った保守保全管理があり、コスト見直し策があるかと思いますので、どうかお気軽に問い合わせフォームに送信ください。

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